【面接で採用になったら翌日から働けますか?】
日頃面接や求人の応募者の対応をしていると
初めて警備の仕事に就こうと考えている方からこのような質問を受けます。
結論から言ってしまいますと
警備会社に採用になってもすぐには働けません!
【特別な手続きや条件があるの?】
【なんですぐに働けないの?】
今回は【何故警備会社に入社してもすぐに働けないのか?】という疑問に呈して
警備会社の求人・面接担当として解説していきます。
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なんで警備会社に入社してもすぐに働けないの?
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警備会社に入社して働くには特別な条件はありません。
しかし警備員になれない条件である【欠格事由】が法律で定められています。
以前の記事で解説してますので、よければ併せて読んでみてください。
肝心の【警備会社に入社しても働けない理由】
それはずばり新たに警備を始める方に対し【法定研修】が定められているからなのです。
〇【法定研修】ってなに?
いきなり出てきた【法定研修】というワードですが
読んで字のごとく【法律で定められている研修】です。
警備業法において【法定研修】は2種類あります。
1.新任研修…新たに警備員になろうとする方に対し所定の時間行う研修
2.現任研修…現在警備員として働いている方に対し年度内に所定の時間行う研修
今回の記事では【1.新任研修】に関して解説していきます。
新任研修ってなに?
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【新任研修】とは文字通り
入社したばかりの【新任】の警備員に対して行う【研修】です。
この新任研修は警備の法律である【警備業法第21条2項】で定められていて、
【自社の警備員に警備業務を適切に実施させるため】という理由の下
警備会社に入社した方全員に行う事が義務付けられています。
警備業法では業種ごとに行う業務が異なっています。
何故ならば、クライアントの【安全安心】を守る警備員である我々は
プロフェッショナルとして警備に携わる事が求められているからなのです。
そのため、
施設警備を行う人には施設警備の研修
交通誘導を行う人には交通誘導の研修
・・・というように
業種ごとに専門的な教育を行う必要があるのです
どれくらいの時間研修を受けなければいけないの?
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新任教育の内容や時間は【警備業法施行規則第38条】で定められています。
完全な未経験の方は【最低20時間】の研修の受講が必須となってきます。
会社にもよりますが、大体【6~8時間×3日間程度】で行う会社が多いようです。
また、あくまで法定で【最低20時間】とされているので
会社独自の研修時間が追加されてもう少し長めの研修を行う会社もあります。
研修って何をやるの?
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警備の研修内容は大きく2種類に分かれます。
1.基本教育→警備の歴史や法律から【警備業】に関しての概論の講義
2.業務別→警備の各種別に応じた研修
※警備の各種別の説明は別の記事で解説しているので併せてご覧ください。
研修の方法は基本的なガイドラインはありますが
どのように行うかは各警備会社に任されています。
大体は
・座学→研修会場でテキスト等を用いた法律等の勉強
・実技→研修会場で実際の現場を想定した実技の講義(片側交互通行や受付業務のロールプレイなど)
・実地→実際の現場に行き、指導員と一緒に実際の業務を行ってみる
の3種類になります。
研修しないで仕事につけないの?
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完全未経験の方が研修せずに現場に出ることはできません。
もし面接の翌日から現場という会社があるのでしたら
その会社はヤバい会社です。
速攻で内定を辞退する事をオススメします。
しかし一定の経験がある方
もしくは警備の資格をお持ちの方は研修の一部、又は全部を免除とすることができます。
その条件は下記の通りです。
条件 | 基本教育 | 業務別教育 | |
1 | 過去3年以内に一年以上当該業務の経験がある | 合わせて7時間以上 | |
2 | 過去3年以内に1年以上当該業務以外の経験がある | 合わせて13時間以上 | |
3 | 当該業務の2級検定を持っている | 全部免除 | |
4 | 当該業務以外の2級の検定を持っている | 免除 | 10時間以上 |
5 | 当該業務の1級検定を持っている | 全部免除 | |
6 | 当該業務以外の1級検定を持っている | 免除 | 10時間以上 |
7 | 当該業務の指導教育責任者の資格を持っている | 全部免除 | |
8 | 当該業務以外の指導教育責任者の資格を持っている | 免除 | 10時間以上 |
9 | 1年以上の警察官の経験者 | 合わせて13時間以上 |
免除の資格があっても、会社のルールや風土を知ってもらうために所定の時間研修を行う会社もあります。
研修中のお給料は?
研修中とは言え、社員として入社しており業務として研修を受講している以上
お給料はちゃんと発生します!
【研修中はお給料出ません!】なんて言ってる会社があればヤバい会社です。
すぐに辞退してください。
研修中のお給料の目安ですが、研修費はどこかしらから補助を受けているわけではなく
会社の自腹になりますので基本ベースは【最低賃金×研修時間】になっているようです。
例として東京都ですと、令和4年10月時点の最低賃金の【1,071円】で計算すると
1,071円(東京都最低賃金) × 20時間(新任研修時間)
= 2,1420円
となります。
会社によっては+αされてもう少し高いところもあるようです。
また、研修中の【交通費】や【食事代】を当日現金で支給してくれる会社もあります。
せっかく警備の仕事を始めるのですから、お得に始めたいですね。
まとめ
これまで【警備会社に入ってもすぐに働けない理由】について解説していきました。
まとめとしては下記の通りです。
1. なんで警備会社に入ってもすぐに働けないの?
→警備業法で定められた【新任教育】を所定の時間実施する必要があるから。
※警備未経験の方は20時間。大体3日くらい
2.【新任研修】ってなに?
→【警備業法第21条2項】で定められている自社の警備員に警備業務を適正に実施させるために行う教育の事。
・基本教育
・業務別教育 の2項目に分かれています。
3. 研修って何をやるの?
→主な研修方法は3つ
・座学…研修会場でテキストを使っての講義。警備の歴史や法律等
・実技…研修会場や屋外で実際の現場での動きを想定して行う。
誘導動作や受付業務のロールプレイ等
・実地…指導員随伴のもと実際の現場で行う。
※実地の時に指導員いないって言われたらヤバい会社なので逃げて!
4. 研修時間は?※今回1番のポイント
→警備の仕事初めての方は【20時間】必要です。
5. 研修しないで仕事につけないの?
→原則不可能です。
しかし、一定の条件がある方は免除、もしくは一部免除にできます。
6. 研修中お給料は出ないの?
→ちゃんと出ます!基本は最低賃金ベースですが、交通費や食事代を支給してくれる会社もあります。
警備の仕事を始めるには種別によりますが
【面接→初勤務】まで最短でも1週間程度はかかるでしょう。
普通のアルバイトと比べれば即効性はありませんが、
入社してしまえばご自身の都合のいい日に働けるというメリットがあります。
是非一度検討してみてください。
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